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 ■ 断乳

 断乳は、赤ちゃんが3歩ほど歩くようになれば考えても良いでしょう。 しかし、一言で「断乳」と言っても、その考え方は本当に人それぞれで、 長い場合では3才ぐらで自然断乳(卒乳)をする人もいるようです。
 もしもミルクアレルギーがあるのでしたら、長い期間母乳を与えても良い と思います。これはカルシウムを補う意味で、オッパイを飲ませたいから です。子どもが、母乳以外にカルシウムを含む食品を、食べたり飲んだり できるようになれば、断乳をしても良い時期だと考えます。ただし、じゃこ (小魚)は消化吸収が悪いので、できるだけ乳製品で代用することをお勧め します。しかし、乳製品がどうしてもダメな場合は、小魚を毎日食べること ができることを目安にしてください。
 次の子どもが欲しい場合、断乳しても良いと思います。

 また、離乳食が進まずオッパイだけの場合は、思い切って断乳を お勧めします。時期としては、10ヵ月〜1才ぐらいが良いと思いま すが、これは食べる離乳食の量にもよります。全く離乳食が進まな い子は、10ヶ月頃で断乳すると良いでしょう。

 母親が仕事などで忙しくても、できるだけ1才ぐらいまで母乳を 与えてほしいと思います。混合でも良いですし、出なくても良いの です。どんな形でもオッパイを吸わせ続けてほしいと思います。これは、 子どもの「心の栄養」と思ってください。
 また、断乳の時期になっても、産後すぐのような状態のオッパイの場合、 急な断乳のために、母親の体調を壊す場合があるので注意が必要です。

 ■ 断乳方法
  断乳をすると3日は泣くので我慢しなさいと昔は言いました。
わらべうたベビーマッサージを1か月前から実施して、マッサージのあと寝る習慣をつけていると、断乳してもマッサージで寝てくれますのでお勧めです
 何よりも大切なのは、断乳の1ヵ月前ぐらい前から、子どもに良く言って 聞かせることです。
「もうすぐオッパイとバイバイね」
 というように、話しかけてみてください。そして断乳の時期になったとき、 オッパイの状態が良い状態であることを確認してください。しこりがないか、 乳頭の先が切れていないか、白班ができていないかなどを良く見ます。
 また、子どもが風邪をひいていないか、下痢をしていないかなど、子どもの コンディションを良く見て、母子ともにトラブルもなく調子の良いときに断乳 をしましょう。
 断乳は無理をすると失敗します。無理は禁物なのです。一度失敗してしまっ た場合、次の断乳までは2〜3ヵ月かかると思ってください。そして次の断乳は、 前回よりも一層の努力が必要になります。
 また1度断乳をすると決めたら、断固として断乳を実行するようにしま しょう。中途半端に「ちょっと試してみよう」という考えはいけません。 これは子どもにとって非常に迷惑なことであり、とても可哀相なことです。
 よく断乳を前にして、おっぱいの回数を故意的に減らす人がいますが、 これは逆効果です。故意的に減らすと、子どもは「もっと欲しい」と 思うようになり、欲求不満になってしまいます。
 断乳には苦労がつきものですが、
「もうオッパイいらない」
 と思えるほど吸わせると、簡単に断乳できる場合があります。
 よく"へのへのもへじ"をオッパイに書いて「バイバイ」すること がありますが、これでは今まで大好きだったおっぱいが、まるで オバケになったようで、子どもにとって「恐いもの」になってしまい、 子どもの心に悪い印象を与え兼ねません。できればそんなことをせず、 「おっぱい大好き」の状態のまま、自然に断乳したいですね。

 それには、子どもに断乳を納得してもらうように、言い聞かせを念入 りにすることが必要です。
 これを読んでいる人の中には、
「こんな幼い子に言っても、納得なんてできないでしょう?」
 と思われる人もいるかも知れません。しかしそんなことはないのです。 繰り返し言い聞かせることで、子どもも分かってきます。ただ自制がま だ未熟なだけですので、ちょっと納得には時間がかかるだけのことです。

 断乳の日を迎えたら、朝一番を飲ませて次はもう与えません。
 このときに、
「もう終わりよ、しっかり飲んでね」
 と話します。そのあとは全く与えないようにします。それでも子どもは、服を 上げようとしたりしますが、
「オッパイ、バイバイね」
 と、根気よく言い聞かせるようにしましょう。泣く場合は外に連れて 行くなどして、気分を紛らわせてあげてください。そして昼間は疲れる ぐらいに遊んであげましょう。
 オッパイを見られてはいけないので、乳頭の先にテープを貼って、乳 頭が見えないようにしておき、どうしても泣いてダメなときは、オッパ イを見せて、
「もうないね」
 と納得させます。何度も言って聞かせているので、あっさりと納得する と思います。それでも夜寝る前にはまた泣くこともあります。そんなとき 変わりに飲めるもの、ミルクとか牛乳、お茶、ジュースなどを飲ませると、 騙されて寝てしまうことがあります。
 それでも泣いて仕方がない場合は、ちょっと可哀想かも知れませんが泣か せておきましょう。2〜3日も泣けばもう泣かなくなります。

 ■ おっぱいの手当て
 断乳すると、乳房はたちまち張って痛くなります。日に2回程、 または痛くなったときだけ、手で搾乳します。
 このとき、気を付けなくてはいけないのは、とことん搾乳をし ないことです。乳房の痛みが消えるまで、軽く上の部分を搾乳する のみにします。これを2日間やり、3日目には奥の方まで綺麗に搾乳 します。これでかなり楽になりますし、もう張らなくなります。
 入浴すると血液の流れが良くなり、また張ってくるときがります。 その間は入浴を控えておくと良いでしょう。

 氷で冷やす方法は、しこりとして残る場合があるので避けましょう。
 3日目以後は痛くなったときだけ手で搾乳をしますが、ほとんど搾乳しなくて も大丈夫なぐらいになります。そのあとは、1週間後にまた綺麗に搾乳します。そ れを1ヶ月、2ヶ月と繰り返してください。
 それでもまだ乳汁が出てる場合は、また2ヶ月後に搾乳して綺麗に出しき っておきっましょう。



症例[1]
 1年間母乳で頑張ってきたお母さんが、次の子を早く欲しいために断乳をす ることにしました。
 断乳をする前のオッパイは、ちょっと張りが弱くなった感じはしたものの、 まだ1日5回ほど母乳を与えていました。

 お母さんには、先に書いたように、
「お誕生日でオッパイとバイバイね」
 と、子どもに言い聞かせるよう指導したところ、子どもも手を振って 「バイバイ」と可愛いしぐさを見せるようになったそうです。
 オッパイの変わりに、フォローアップミルクを飲ませるようにしました。 これは嬉しそうに飲み、ミルクに対するアレルギーも見られなかったそうです。

 断乳の前日、子どもはしつこいほどオッパイを吸ったそうです。もしかして 分かっているのでしょうか……? そして断乳の当日、朝一番を飲ませ、
「オッパイ、バイバイね」
 と話して終わりにしました。そのあと、お誕生日のお祝いを盛大にして印象付て あげたそうです。
 夜になり、やっぱりオッパイ欲しそうな顔をしたそうですが、胸を触るだけで、
「オッパイ、バイバイね」
 と同じように語りかけると、すんなりと諦めてプローアップミルクを飲んで寝たそうです。 なんとも簡単な断乳でした。

 そのあと、オッパイはかなり張りましたが、1日に2度搾乳することで乗り切り、 3日後に綺麗に搾乳をして、その1週間後には張返しもみられず、徐除に出なくな りました。



症例[2]
 1才半まで母乳を飲ませてたお母さんの場合です。
 断乳の前は、朝夕ぐらいしか母乳を飲ませていませんでしたが、断乳前に、
「オッパイ、バイバイね」
 と、子どもに繰り返し話していました。
 いざ断乳の日。子どもはいともあっさりと辞めてしまったそうです。そして夜も泣く こともなく、ちょっといつもと違う……というぐらいな顔をして諦めたそうです。