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■ 母乳にこだわってよかった

 私が拓也を産んだとき、桶谷式のところに行ったり、読んだ本に影 響を受け、"絶対母乳!"と思っていました。それなのに、わたしのお っぱいは陥没乳首。そのせいか拓也は全然飲めません。病院での授乳 時間がとても辛く、よく部屋に帰ってから泣いていました。
 それでも、退院する頃にはなんとかなるだろうと思っていたのです。 しかし、実家に帰っても全然飲めませんでした。レンタルした体重計で 拓也の体重を計ると、おっぱいの後の方が減っていて、またまた私は 落ち込んでしまったのです。母も姉もミルクにしていたので、泣いて まで母乳にこだわる私の気持ちは分かってもらえず、「ミルクにすれば」 とすごく言われました。
 そして極めつけは拓也が寝ないことでした。夜中の12時から朝6時まで 泣き続ける日々が、結局実家にいる1ヵ月間続きました。 あー、今思い 出しても涙が出ます。
 そんな生活が3週間ほど続き、私はおっぱいだけにしてみようと決意 しました。ミルクは足さずに1日中おっぱいをくわえさせているような 日々を送っていたのです。そうしたら、だんだん飲むのが上手になって きて、拓也は生後1ヵ月を過ぎて実家から帰る頃には、飲みにくい私の おっぱいから上手に飲んでくれるようになったのです。

 でもね、こんなふうに書いたからって、絶対に"おっぱいが1番"と 言っているわけではないのですよ。わたしの周囲にも、しばらく頑張 ったけど、ミルクにした人もいっぱいいるし、どちらがいいとは言え ないと思います。でも、もし自分がもう少し母乳にこだわろうと思う なら、私みたいに「1ヵ月以上かかった人もいる」と思うと気が楽で しょ。